北海道は雄大な自然、おいしい食べ物などに恵まれ都道府県の魅力度ランキングで10年連続1位を獲得しています。
今回はそんな魅力あふれる北海道のおすすめスポットや楽しく北海道旅行を行なうためのコツについてお伝えしたいと思います。
おすすめスポット
北海道はご存知の通りとても広い都道府県です。一回の旅行では隅から隅まで観光できないことも多くあります。そこで今回は、3つのエリアに分けておすすめのスポットをご紹介いたします。
西部
札幌などの都市部は西部に位置しています。アクセスも良く、気軽に観光できるスポットが集まっているのも魅力の一つです。
函館の夜景
函館の夜景は香港・ナポリと並んで世界三大夜景に選ばれ北海道旅行で定番の観光スポットとなっています。その美しさのの秘密は、函館の地形とそれを見渡す函館山の高さにあります。
函館山の高さは334mで函館の夜景に対して約10度の角度をとっています。この10度という角度が「最も景観を見やすい角度」と言われており、光が粗すぎず密すぎず美しい景色を見ることができます。
もう一つのポイントは夜景がくびれた形になっていることです。函館山は海に突き出した位置にあり、函館の地形は陸地が一度くびれて広がることでより奥行きを感じれるようになっています。また、真っ暗な海が夜景を縁取ることで明暗のコントラストが強調されますます美しく感じられるようになっているのです。
おすすめの時間帯は日没時刻の10~30分後です。濃紺の青空とオレンジ色の光の粒が広がり、なんとも幻想的な景色を鑑賞することができます。
また、時間に余裕がある場合は日没前に山頂に登っておくと、普段の街並みから100万ドルの夜景に刻々と変化する光景を楽しむこともできます。
暖房の効いた展望台の中から観察することもできますが、きれいな写真をとる際はガラスの映り込みを避けるために外に出る必要があります。北海道の夜はかなり冷え込むこともありますので防寒対策をしっかりと行って向かうようにしましょう!
登別温泉
日本の温泉地ランキングでも常に上位を獲得する登別温泉。一つの温泉郷に9つの泉質が湧く大変珍しい温泉地で、「温泉のデパート」と呼ばれています。新千歳空港からのアクセスもよく、世界中から観光客の訪れる人気の温泉地となっています。
また、温泉地の近くには景勝地としても有名な地獄谷があり温泉が煮えたぎる間欠泉や高温の硫黄が湧き出る沼などを間近で観察することができます。遊歩道など観光しやすようにしっかりと整備も行われているので、子供やお年寄りの方でも安心して観光することができます。
一つのお宿でも複数の泉質の温泉に入れる所も多く、簡単に湯めぐりをすることができるのも人気の理由です。ぜひいろんな泉質に入浴してみて、あなたの肌にぴったりの泉質を見つけてみてください。
中部
中部には広大な自然が広がっています。美瑛のパッチワークの路、大雪山国立公園、十勝の牧場など、観光地と観光地の間の道中でも素晴らしい景色を眺めながらのドライブを楽しむことができます。
白金青い池
SNS映えスポットとしても有名な「青い池」。2012年にApple社のMac OS Xに壁紙に採用され世界的に有名な観光地となりました。
「青い池」が青い理由は上流にある白金温泉地区で湧出しているアルミニウムが水に溶け込み、その粒子が太陽光を反射するために青く見えるのだそうです。
この青く見える原理からも分かるように「青い池」を美しく観察するための必須条件は、太陽光線つまり天気です。曇りの日や光が弱い時間帯に行ってみると「思ったより青く見えなかった」という事態になりかねません。しっかりと天気予報を確認して、観光に向かうようにしましょう。
おすすめの時間帯は、午後1時~2時ごろです。早朝も風が少なく水面が鏡のように見えるため人気ですが、太陽の角度が逆光になり写真を上手く撮るにはかなりテクニック必要です。午後は太陽も高くあがり、日光十分で美しい青色を写真に収めることができます。しかし、観光シーズンの夏などは大変込み合う時間帯となるので、スケージュールに余裕を持たせるなどの注意が必要です。
天気や季節、時間帯などの条件によってコバルトブルーやエメラルドグリーンなど様々な色合いに変化します。条件によっていろんな絶景を楽しむことができるので、2度3度と繰り返し訪れたくなる絶景スポットです。
旭山動物園
旭山動物園は日本最北端の動物園で、規模としては小さいながらも年間入場者数で常にTOP5に入る日本でも有数の人気を誇る動物園となっています。
最も北にある動物園なので、ホッキョクグマやペンギン、アザラシなど寒い地域に住んでいる動物たちの飼育に長けていて、生き生きとした寒冷地域の動物たちを間近で見ることができます。
1967年に開園し、一度は廃園の危機が迫るほど入場者数が落ち込みましたが「行動展示」や「混合展示」など独特の展示アイデアを取り入れたことで人気になりました。
「行動展示」というのは、一般的な動物園の姿形を見せることを目的とした「形態展示」とは異なり、動物たちが自然に近い環境の中を自由に動き回れるようにするなど、動物たちの自然のままの行動や生活を見せる展示方法です。
動物園といえば柵や檻にいる動物を見るのが一般的ですが、旭山動物園では自然に近い様子を再現し、またそれを間近で見られるような展示方法の工夫を行なっているので、他の動物園では味わえないような臨場感や躍動感を体験することができます。
アザラシが呼吸のために頻繁に水面に顔を出す習性を利用した円筒水槽、縦横無尽に泳ぎ回るペンギン観察できるを水中トンネル、動物と同じ目線になるよう見学場所が設計されている迫力満点のもうじゅう館など、展示工夫があちらこちらに施されています。
旭山動物園では、季節や時間帯ごとに様々なイベントが行なわれます。特に雪が積もる時期に行なわれる、運動不足解消のためにペンギンが柵から出て散歩をするイベントは人気があり、まるで南極に来たかような光景を見ることができます。
開園期間や時間はその年によって変更され、また夏と冬には時間を延長して夜の動物園を体験できるイベントが実施されることもあります。イベントやエサやりのタイムスケジュールなどは毎朝更新されている公式ホームページで確認できますので、来園前にはホームページの情報をチェックすることをおすすめします。
東部
東部には冬になると流氷がやってきます。千島海流が流れる北海道東部の海では豊かな生態系や豊富な海の幸を楽しむことができます。
知床国立公園
知床は北海道の北東部にある全長約70㎞の半島で、中央には1500m級の山々が連なっています。知床という名前はアイヌ語のシリエトク(地の果て)という意味の言葉からきており、その名の通り手つかずの自然が広がっています。
海と陸が生み出した豊かな生態系と、希少な動植物の生息地になっていること、そしてこの生態系の管理体制が整っている3つのポイントが世界的に評価され、2005年7月17日に日本で3か所目となる世界自然遺産に登録されました。今では海と陸から自然を堪能できる場所として観光客でにぎわっています。
知床半島の中でも特に人気なのは「知床五湖」です。散策コースは1つの湖を見て回れる高架木道と、5つの湖を全て見れる地上遊歩道の2種類があります。
高架木道は知床五湖駐車場から知床五湖のうちの「一湖」湖畔まで続く、往復1.6㎞の木道です。段差なしのバリアフリーで、気軽に知床五湖の魅力を堪能することができます。
知床五湖の全貌を楽しみたいという方は1周3㎞のより多くの動植物を目にすることができる地上遊歩道を歩くことができます。しかし、ヒグマが頻繁に出没する5月上旬から7月下旬の「ヒグマ活動期」には、手続きやレクチャーの受講、引率ガイドの同行が必要となります。また、ヒグマの発見情報や痕跡が見つかった場合は地上遊歩道が閉鎖されてしまうこともあるので、開放情報を事前に確認するようにしましょう。
気を付けること
知床が世界遺産になった目的の一つに保全活動があります。知床に限った話ではありませんが、絶対にゴミなどを捨てないようにしましょう。現地にある動物や植物を持って帰る行為も禁止となっています。
知床を散策する際は野生動物の生態系にできるだけ影響を与えないように心掛けることが大切です。野生動物には近づいたりエサを与えたりしないようにしましょう。一度、人の食べ物の味を覚えた動物は、再び食べ物を得るため人間に近寄ってくるようになり野生を失ってしまいます。ヒグマの場合は、人の食べ物を知ったことで地元住民の生活までも脅かしてしまった事例もあります。落とした物から人の食べ物を覚えてしまうこともあるので、知床では遊歩道や散策している間は飲食は禁止となっています。
知床の海
知床には海にもたくさんの魅力があります。冬の時期には流氷が出現し、高確率でオオワシやオジロワシを見ることができます。運が良ければ、黒のまだら模様が可愛いゴマフアザラシも見れることもあります。夏の時期には、シャチ、マッコウクジラ、イルカなどダイナミックな野生の海洋生物を見ることもできます。クルーズ船もありますので沖に出て間近で観察してみるのもいいかもしれません。
知床の魅力
知床はまさに手付かずの自然が残り、独自の生態系を陸からも海からも楽しむことができる非常に魅力的なエリアです。一日では回り切れないほどの広大な公園の中に絶景がたくさん詰まっています。ぜひ一度足を運んでみて生命力溢れる大自然のスケールを肌で体験してみてください。
釧路湿原&釧路市内
最後にご紹介するのはひがし北海道最大の都市、釧路です。
釧路には、ラムサール条約第一号となった日本最大の湿地「釧路湿原」があります。その広さはなんと2万8000ヘクタールで東京23区よりも大きい広大なエリアです。地平線まで果てしなく平原が続いている様子はまさに圧巻。都市部からのアクセスもよく人気の一年中人気の観光地となっています。
観光地としての整備も進んでいて、展望台の上から大パノラマを楽しんだり、9つのウォーキングコースを歩いたり、カヌーで川下りを楽しんだりすることができます。他にも期間限定のトロッコに乗車できたり、乗馬しながらトレッキングを楽しめるアクティビティがあったりと魅力満点です。
また、冬には釧路湿原のシンボルにもなっているタンチョウを観察することができます。釧路湿原やその周辺にタンチョウと会えるスポットや餌やり場もありますので気軽に野鳥観察を行なうこともできます。釧路には氷河期時代から生息していると言われる貴重な動植物が生息しており、生息環境が限られているキタサンショウウオ、日本最大の淡水魚のイトウなど釧路湿原ならではの貴重な生物を観察することができます。
ひがし北海道最大の都市釧路は、「食」も魅力の一つです。ろばた焼き、ザンギ(にんにくやショウガを効かせたから揚げ)、釧路ラーメンなど魅力のあるご当地グルメが沢山あります。特に日本トップクラスの水揚げ量を誇る釧路の海の幸は絶品です。
「自分の好きな海鮮をお腹一杯食べたい!」という方におすすめなのは、釧路市和商市場で味わえる「勝手丼」です。ご飯を好きな量購入したら、ネタを探しに市場内を散策。いろんな魚が一切れ価格で売られているので、好きな魚をトッピングしてオリジナルの海鮮丼を作ることができます。
釧路は絶景にグルメと、魅力がたくさん詰まった観光地です。春夏秋冬どの季節でも違った見どころがあり、いつ訪れても楽しむことができます。
北海道旅行のコツ&注意点
天候や気温に気を付ける
北海道は日本海側の豪雪地帯ほどの雪は降りませんが、本州とは違い日本で唯一の冷帯です。春や秋でも日が暮れると急激に気温が下がることもあります。暖かい季節に観光するとしても長袖の服装を1枚持っていくなど寒さ対策を忘れないようにしましょう。
また、普段雪が降らない地域に住んでいる方は雪により転倒するリスクも増えます。冬場に旅行する際は、滑りにくい靴を購入したり十分に注意しながら歩くようにしましょう。
車の移動で気を付けること
北海道は公共交通機関が少ない地域もあるので、レンタカーを使って観光することがあるかもしれません。しかし、北海道道路は注意することがいっぱいです。
給油や休憩は小まめに行う
北海道は想像以上に町と町が離れていることがあります。山道や峠でガソリンがなくなったりしたら大変です!
また、飲み物を買えるお店やトイレ休憩ができるスポットも都市部より少ないので事前に場所をチェックしておくようにしましょう。
普段あまり長距離の運転をしないという人は、思いの他疲れることがあるかもしれません。慣れない雪道の運転で普段から運転している人でもいつも以上に疲れることもあります。そのようなときは、無理に観光地を全部まわろうとせずに、しっかりと休憩をとるようにしましょう。予定を立てる時点で、北海道の広さや慣れない土地での運転を考慮して余裕をもったスケージュールを立てるようにすると時間を気にせず楽しく観光することができます。
スピードの出しすぎに注意する
北海道の道路は交差点が少なく、長い直線が続く道路も沢山あります。そのような道路は速度の感覚が鈍り「気づいたらスピードを出しすぎていた!」ということもあります。スピードを出しすぎると事故を起こしてしまった時のリスクが跳ね上がってしまいます。
道路には鹿やタヌキなどの動物がいきなり飛び出してくる可能性もあります。よく動物が出現するエリアには標識が立っていることも多いので運転中は標識や看板をしっかりと確認するようにしましょう。
北海道旅行で持っておきたい持ち物
酔い止め
北海道の旅行は移動時間がとても長くなります。いつもは乗り物酔いしない人でも万が一のために酔い止め薬を持っておくと安心です。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは普段の旅行でも持っていくかもしれませんが、北海道では特に必要です。寒い中で電子機器を使うと想像以上のスピードで電池を消耗することがあります。外で観光することも多い北海道ではなかなか充電することができない場合もあります。いつもよりも、すこし多めに持っていくと充電を気にせず観光を楽しむことができます。
ビニール袋
冬の時期に旅行に行くと、雪によって持っていたものが濡れることも多々あります。そのような時に、濡れたものを入れておくビニール袋があると便利です。また、北海道は自然保護区となっている場所も沢山あります。旅行中に出したゴミは絶対にポイ捨てせずにゴミ袋に入れて持ち帰るようにしましょう。
まとめ
雄大な自然においしいグルメ、いろんな魅力が詰まっている北海道。一生に一度は訪れてみたい絶景があちらこちらにあり、一度ではまわり切れません。ぜひ何度も訪れてみて、北海道の絶景やグルメを満喫してみてください。